理想のキッチンのつくりかた

どんなキッチンを、家のどこに配置するか、どんな機能を盛り込むか…選ぶ余地があればあるだけ、考えてしまいますよね。

まさに今キッチンについて検討中の方も、いつかは理想的なキッチンを手に入れたい!という方も。

その時のために「何を考えておくと良いのか」についてお届けします。

自分の理想をリストアップ

まずは理想のキッチンについて、とにかく思いついたことを書いていくのがおすすめです。

色やイメージでも良いですし、「このメーカーのキッチンを使ってみたい」「海外製の食洗機を入れたい」など具体的なものでも◎。

決めた予算内でおさめたい!というのも大事な指針の一つです。


キッチンについて考えることで、「キッチン以外の場所にこんなスペースが必要だな」ということや、「これとこれはちょっと矛盾してるな」ということも、冷静に見えてきます。

決まった正解はないので、「自分はどんなタイプなのかな?」ということを見つめ直す作業。

何が快適かは人それぞれなので、自分の習慣を偽ったり無理をしないことが大切。苦手なこと、やりたくない!ということは、正直に書いてしまいましょう。

見せてOKなもの、NGなもの

「シンクが丸見えだとうんざりした気持ちになる...」と、個室のキッチンや手元が隠れるデザインを選ぶ人もいれば、
「見えているほうが、片付けスイッチが入る!」と、オープンキッチンを選ぶ人もいます。

家電についても、全部隠したい、来客時だけは隠したい、冷蔵庫だけは隠したい...など考え方は様々。

まだ結論が出ていなくとも、収納計画やパントリーの配置にも関わる部分なので、譲れない条件だけは先にリストアップしておきましょう。


物量の把握、使いかたの振り返り


「収納したいものがどのくらいあるか」を把握しておくのも必要な作業です。

家づくりが本格的に始まると忙しくなるので、なるべく早い段階で確認できているとベター。

大きく分けると、キッチンにあるものは次の3種類です。

1.食器・調理機器

物量を把握することで、収納の形状(引き出し型 or 棚)も選びやすくなります。スペースが足りないかもしれない!という不安からも解放されるはずです。

お皿が何枚、コップが何個...とまで数えなくとも、収納の中にざっくりと「縦・横・高さ、これくらいのものが入っている」と把握できれば十分。

また物量だけでなく、普段使いの食器はどのくらいあるか、などの「使いかた」も収納計画に関わってきます。

頻繁に使う食器は取り出しやすいよう、見せる収納でも◎。

キッチン内に大きめの収納が必要なのか、来客用の食器セットはダイニングに収納しても良いのか...などを考えます。

デコレーションとして食器を飾ったり、イヤープレート・マグなど、毎年コレクションを増やしたりしている方は、そのためのスペースも確保したいですね。

2.食材ストック

買い置きの量や、内容についても考えておきましょう。

最近はまとめ買いの需要増加や、ふるさと納税の利用などで「パントリーにサブの冷凍庫を置けるようにした」という話もよく聞きます。

他にも、水などの重い物のストックが多い場合には、パントリーを可動式の棚にして、床置きできるスペースを取れるようにするのもおすすめです。

食材以外にも、洗剤、キッチンペーパーなど、備品系のストックについても同じように考えておきたいですね。

3.ゴミ箱

ゴミ箱もかさばるので、置き場所をある程度考えておく必要があります。

よくあるのは、キッチンキャビネットの一部がゴミ箱用スペースに空いているもの。スペースを無駄なく使えて、見た目もすっきりします。

また戸建の場合は特に、収集日までゴミ箱の中に溜めておくのは難しいという声も。

ビン・缶・ペットボトルなどの匂いの出ないゴミは、キッチン以外の場所に集める(玄関まわりの収納内や、外に出す)などを考えても良いかもしれません。

キッチンの形状と場所

自分の理想と現状が見えてきたところで、具体的なキッチンの形状を考えていきましょう!

最近は、キッチンとリビング・ダイニングが一続きになった「LDK」の間取りが多いと思います。

LDKの間取りは、コミュニケーションをとりやすいのがメリット。複数人で料理をするシーンが多い方にもぴったりですね。

対して、キッチンを独立させた間取りは、作業に集中したい方、犬や猫と暮らす方から選ばれることが多いです。

キッチンの形状にも種類が沢山。メーカーによっても多少の違いがありますが、基本は下記のような特徴です。

I型:壁に向かった配置
アイランド型:回遊できる配置
ペニンシュラ型:オープンで、コンロ側のみ壁付け
L型:広々使える(スペースも広々必要)
2列型:コンロとシンクを別々に配置

例えば、リビングの中央にアイランドキッチンがあると、料理中に音楽をかけて、晩酌をしつつ喋る…なんて楽しみ方ができるものの、生活感が出やすいというデメリットも。

どんなライフスタイルなのか、またキッチン部分にどれだけ面積を取れるかによっても、ある程度タイプを絞れそうですね。揃いのキッチン収納をつける場合は、その配置も考えておく必要があります。

ここまで決まると、キッチンの「枠」が決まった状態になります。

キッチン選びで、最終的に決めること

枠が決まった後も、細かな決定事項がいくつもあるので、それについてご紹介します。

日頃から料理をしながら考えておくと、いざというときに決断しやすいですよ。

設備機器については、主に次の4つを選びます。

  • 水栓:浄水器やタッチレスセンサーの有無、色やデザイン

  • レンジフード:お手入れのしやすさ、色やデザイン
  • 
食洗機:必要かどうか、容量、引き出し型 or フロントオープン型、国内製 or 海外製

  • 調理機器:ガス or IH、魚焼きグリルやオーブンの有無



そして、キッチンを構成する素材についても選択が必要です。

  • 天板:ステンレス、人造大理石(半人工素材)、人工大理石(人工素材)、大理石、石、人造石、メラミンなど

  • シンク:ステンレス、人造大理石、人工大理石、ホーローなど

  • 扉材:化粧シート貼り、メラミン、塗装、無垢材、突板など

日本の住宅で多く採用されているのは、主に住宅設備メーカー、もしくはキッチン専門メーカーのもの。

基本のサイズや大まかなデザインは固定で、設備機器や素材・色を決められた範囲から選ぶ、というスタイルです。

サイズを自由にアレンジしたい!となると「オーダーキッチン」を採用することも。サイズや設備機器の選択肢が増えます。

ここでは割愛しますが、間取りに合わせてゼロから設計する場合は、デザイン面などの自由度もさらにUP。


素材によって、使い勝手やお手入れ方法も変わってきます。また当然ながら、グレードの良いものを選んでいくと、ぐっと金額がUPすることも。

ご自身の「理想のキッチンの条件」と照らし合わせながら、どのメーカーでどんなキッチンができるのか、金額も比較しつつ選んでいきましょう。

みなさんいかがでしたか?


理想のキッチンの一番のヒントは、「今まさに使っているキッチン」に転がっています。

「もっとこうだったらいいな」という点はもちろん、「じつはここは助かっているな」という点にも、ぜひ目を向けてみてくださいね。

2024.4.5

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