オルネ ド フォイユ:フランス雑貨やアンティーク家具のインテリアショップ

CHAJINさん
フラワーアーティスト

オルネにやってきた「すずらん屋台」も大人気! そんなCHAJINさんの半生を振り返るインタビューの後編です。生まれ育った鎌倉の話からはじまり、独立したCHAJINさんは再び鎌倉に舞い戻ります。そして最後、お話は意外な方向へ……。軽妙なCHAJINさんのトークをお楽しみください。

 

CHAJIN

プロフィール
バックナンバー

 

インスピレーションの旅

前編はこちら

――鎌倉で独立されて、お店を構えられたんですか?

はい。まずはハコがなきゃいけない、と思って、物件を探したんです。そうしたら、若宮大路沿いにいいのがあって。昔の子供服屋さんだった物件なんですが、雰囲気がよくって、すぐに申し込んだんですね。そしたら、なんと僕が5番目。僕の前に、4人も待ってたんです。

――それは、普通CHAJINさんまでは回ってきませんよね。

そう。でも、僕はその物件の前を通るたびに、そこで働く自分をイメージしたの。その建物をじーーっと見て、念を込めて。そしたら、念が通じたんですよ。僕にまで話が回ってきたの。

――すごいですね〜。そこでお花屋さんを始めたんですか?

いや、ところが、いろいろな事情でそこは諦めざるを得なくなって。今はその物件は「beach dog cafe」っていう雑貨屋さんになってます。その物件もそうなんだけど、僕は小屋が大好きなんですよね。

で、次に見つけたのは、六角形の物置みたいな小さな小屋で、裏側には椰子の木が生えてるっていう物件。ここもいい物件で、見つけてすぐに、その建物の隣に住んでる人に話を聞いたんです。その人がその六角形の建物のオーナーだったんですが、何度もそういう問い合わせがあったらしくて、最初、ものすごく嫌な顔をされたんですね。でも、何度も何度も通ったの。

――念を込めたんですね(笑)。

でね、お正月飾りを売るのに、3日間だけ貸してくれってお願いしたら、しぶしぶOKしてくれて。で、実際にお店を3日間やったら、もうその人、大喜びで! 「フクちゃん、かわいいじゃない!」って言うの(笑)。それまで名前も呼んでくれなかったのに、いきなり「フクちゃん」(笑)。

――えらい変わりようですね(笑)。

うん。でね、結局、取り壊すまでの5ヶ月間だけという条件で、そこで期間限定のお花屋さんをやったんです。当時は自分のなかで花屋で行くのか、現在みたいなスチールや広告用の花活けを中心に活動して行くのか迷っている頃で、5ヶ月間でしたけど実際に花屋をやってみたことで自分なりに「お花屋さん」をやることに対してはっきりと答えを持つことができたんですね。それで、その後はファイルを持って売り込みに行ったりして、スチールの仕事なんかをやり始めたんです。

――今はお花教室もされてますよね。それは何かきっかけがあったんですか?

お、そこに来ましたか(笑)。
その、今お話した店をやっていた時に、ある日、volvo的な外車が乗り付けてきて、白髪の上品なご婦人がいらっしゃったんです。で、その人が「お花の教室をやっていただけないかしら?」と言うんですね。最初はお断りしたんですが、その後、再度お願いをされて、じゃあ1回だけやってみるかって。で、当時、僕はものすごい車に乗っていたんですよ。全体が金色の車(笑)。

――金色? そんな車があるんですか?

あったんですよ(笑)。エンジンかけるとポンポン船みたいな音がして、12万円で買ったの。でね、その白髪のご婦人のお宅に呼ばれて、その金色の車で行くわけですよ。ジャガー、ベンツ、ボルボと並んでいるところに金色でポンポン鳴らしながら(笑)。3回くらいかな。「じゃあ、次は○○さんのお宅ね」みたいに、マダムの家を転々として(笑)。

――(笑)すごい状況ですね。今でも、教室は女性が多いんですか? 男性はいます?

定期の教室では不思議と男性はいないんですよ。
雑誌の取材で唯一、ラーメンズの片桐さんがずいぶん昔に来てくれたことはありましたね…。

――「男は唯一ラーメンズ」っていうのもすごいですね。

そうですね(笑)。教室にはいろいろな人が来るんですけど、実は、僕は「教える」ってことはしないんです。教えるというよりは、生徒さんそれぞれの個性がのぞくよう、作品作りのお手伝いをさせてもらっているという感じですかね。僕の教室では、花活けはこれじゃなきゃダメ!っていうような正解があるあるわけではないので。

お花の世界では、「仕入れ10年」なんて言われますが、そういう経験が必要な部分、お花と器は僕が用意させてもらって、あとはその人のセンスなんですね。花は、人が出ますから。料理をしてる人が生けると料理っぽくなるし、デザイナーさんが生けたらシンメトリーなアレンジになったりね。

――CHAJINさん自身は、どんなところからインスピレーションを得ているんですか?

そうですねー……。食べ物や、お菓子の本を読んだりすることが多いかな。
あとは、プロレスですね。

――プロレス?

はい。僕、プロレスが大好きで。ニュースは必ずチェックしますし(※CHAJINさんの奥さん注:ニュース=デジタルCS放送「サムライTV」のニュースのこと)。プロレス、あまり見ませんか?

――はい、あまり。あの、奥さんもプロレスご覧になるんですか?

(隣で微笑んでいる奥さんを指して)彼女は夕飯の支度をしながら長州力のテーマソングを歌うんですよ(笑)。

――おおおおお、すごい……。プロレスとお花って、通じるものなんですか?

(笑)。簡単に説明しますと、プロレスって、リング上で戦うふたりを、どちらも光らせるんですね。ほかの格闘技みたいに、どっちかが一方的に勝ったり負けたりがない。どっちにも、見せ場があるんですよ。それが、プロレス。
で、それって、お花と花器の関係と同じなんですよね。どちらも損なうことなく、お互いがお互いを引き立てる、という。

――なるほどー。

この理論って、どんなことにも当てはまるんですよね。たとえば、大勢の前でお話をする場合には、「これは、1対100人の変則マッチだ!」とか考えるんですよ(笑)。

――お花=プロレス……意外なところにたどり着きましたね(笑)。まだお話は尽きませんが、お時間になりました。今日はありがとうございました。

いえ、こちらこそありがとうございました。こんなんでよかったですか?(笑)

 

 

 

PROFILE
CHAJIN
フラワーアーティスト。 オリジナルフラワースタイルCHAJIN主宰。
雑誌、広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、花コラムの執筆の他、鎌倉のアトリエと東京で花教室も開催。愛猫家。プロレス好き。ウクレレ好き(休憩中)。『CHAJINの花/小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』『CHAJINの花/季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社)を同時出版。現在、saita、OZマガジンなどの雑誌、アフタヌーンティー、フェリシモのウェブなどで花活けページ連載中。

公式HP/ホームページ:http://www.o-chajin.com
花教室&茶話blog:http://toranoco.no-blog.jp/chajin/

 

 

コラムトップへ戻る

SHOP INFO
COLUMN
BLOG