オルネ ド フォイユ:フランス雑貨やアンティーク家具のインテリアショップ

mille books さん
ブックレーベル

「この表紙かわいい!」「この本、なんかおもしろそう……」。手にとって見ると、そこには「mille books」の文字が、なんてことがよくあります。「mille books」とは、いがらしろみさんや甲斐みのりさん、最近では堀部篤史さん(恵文社一乗寺店の店長さん)の本などを手がける出版レーベル。ほとんどの作業をおひとりでされているのだという主宰の藤原さんに、“本づくり”にまつわるあれこれを教えてもらいました。

  mille books

→プロフィール

「私が本を作る理由」

子どもの頃から、自分がいいと思ったものをいろんな人に教えるのが好きでした。新しい遊びから始まり次第に本、音楽、映画……とどんどん広がっていきました。自分で何か表現をすることよりも、人よりもいち早く新しい何かを見つけて、その魅力を伝えることへの興味が高かったのです。

そんな自分にぴったりだと思い、迷わず就職先に選んだのが広告業界。しかし、働いてみると自分の描いていた世界と、実際の仕事には大きなギャップがありました。広告というのは、お客さんの商品やサービスを世の中に広め伝える仕事。でも、私が目指していたのは、自分がよいと思うものを広め伝えること。

そんな悶々とした日々だからこそ、自分の好きなものがどんなものなのか、はっきりとわかりました。そこで趣味でもいいから子どもの時のように、好きなものを人に知ってもらうことをしようと考えたのです。まず始めたのが、プリントゴッコによるハンドメイドのポストカード作り。好きなイラストレーターさんを見つけ、その方の絵をポストカードにしました。最初の半年は売ってくれる店もなく、フリーで配布するところからスタート。次第にカードを配布いただいたお店さんから販売や作品展示のお話をいただくようになりました。

そんな中、昔から大好きだったミュージシャンに一方的にお送りしたカードを見て、次のアルバムのジャケットのお話をいただいたのです。フリーのポストカードから始まった、自分の「好き」を伝える試みがひとつの結果につながり、大きな自信となりました。

そして、次に作ったのがアートブック。ポストカードだけでは描ききれないイラストレーターさんの魅力を伝えるために、夏のボーナスをつぎこんで作った1,000部限定の本(レーベル名「mille books」はフランス語で1,000のmille - ミルから名付けました。今はもう1,000部限定ではありませんが)。ポストカードの売れ行きも好調で、CDジャケットの反響もあったので、1,000部はすぐに売り切れるだろうと思っていたのですが、まったく売れず在庫の山となってしまいました。

その時、はじめて自分が好きなものを押し付けるだけでは自己満足で終わってしまうことに気が付きました。自分が好きなものをわかりやすく伝えることの大切さを痛感し、「本作り」に大きな興味を持つようになりました。

おばあちゃんの台所
mille booksさんの出版記念イベント
「おばあちゃんの台所」展
2008年1月5日(土)〜20日(日)

その頃には、ポストカードなどの雑貨企画も軌道に乗りはじめ、本業であった広告会社の仕事後や休日だけで手が回らない状態になっていました。このままではどちらも中途半端なままになってしまうと悩んだ末、何の後ろ楯もないまま会社を退社し、本格的にmille booksをスタートさせました。

スタート時は本作りのノウハウも知識も全くなく、流通させる手立ても、印刷も何も知らない状態でした(今考えると本当に恐いです)。でも作りたい本のアイデアだけはたくさんあったので、いい本を作り、できるだけ多くの人にその魅力を伝えることだけを考えて走り始めました。

本格スタートさせて約3年。多くの方たちに支えていただき、何となくレーベルの目指すところが見えてきました。そして、自分が好きなものを伝えることから、それを読んだ方に何か影響を与えることができそうな予感がしてきました。やっと子どもの頃からの自分の「好き」を見つけて伝えることの意味を少しだけ見つけたような気がしています。

 

PROFILE
mille books(ミル ブックス)
藤原康二(ふじわらこうじ)主宰のブックレーベル。時代や流行に関係なく、永く愛される本作りを目指している。新刊「おばあちゃんの台所」(石澤敬子/和田直美・著)の発売記念展をオルネ ド フォイユにて開催(1/5〜1/20)。
2008年初夏より、1,000部限定のアートブックレーベル部門を再始動させる。
http://blog.so-net.ne.jp/millebooks

 

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