とらわれない、自由な発想から

11月13日より不動前店にて、陶芸家、今井律湖さんの個展を開催いたします。
(→個展のご案内ページはこちら

イギリスで陶芸を学んだ経験のある今井さんの器は、自由な感性を持ちながらも、使い手に寄り添った優しさを感じます。
今回は今井さんに作品作りに関して、お話をお伺いしました!

イギリスで陶芸を学ばれたとのことですが、海外留学経験が作品や作品作りに対して与えた影響はありますか?

あると思います。日本で学ぶ陶芸では当たり前とされている制作プロセスがイギリスでは全く重要視されていなかったり、そもそも形を作るときの順番や方法や使う道具も日本とは大きく異なり、その良し悪しはそれぞれあると思いますが、より自由に粘土に向きあえるきっかけになったと思います。自分がどの国で活動するかにもよりますが、自分が何を作るのかは日本のみでの感覚よりずっと自由に視野を広く選択している気がします。

絵皿を壁にかけるという文化はヨーロッパではポピュラーかと思いますが、日本では「器は料理を載せるもの」という意識が強いように感じます。
しかし、今井さんの作品は絵皿や陶板、人ポットなど、飾って楽しむことができる作品が多く、「器って自由なんだ」と訴えかけられているようにも感じます。

今井さんの「飾る」ことに対する考え方や想い、こんな風に楽しんで欲しい、などありましたら教えてください。

私はあまり家にものが多いのは好きではなくて、ただ飾るだけのものに家の中が占領されていくのは嫌だなと思うんですね。でも何か用途があれば使いながら楽しむこともできて、使わない時は飾っておけばいい、そういうものだったら自分が自由に作ったものを人様にお譲りしても大丈夫かな、と思うのかもしれません。陶板はささやかな絵のように、人ポットは小物入れに、絵皿は食卓で使ってもいいし絵として飾ってもいい、花器だったら花がない時も出しっぱなしにしておきたくなるような佇まいもの、そういう考えと自分の自由な気持ちをバランスをとりながら作っている感じです。

今回ご用意いただきました絵皿や陶板は、オリエンタルな雰囲気で、一つ一つ開梱している時、インディ・ジョーンズ気分で発掘しているような楽しさがありました!

描く上でインスピレーションをうけているものなどありますか?

インスピレーションは世界中に散らばる昔の人が作ったものから受けることが多いです。地域、年代、材質問わずです。昔から美術館や博物館が大好きで、今も(コロナが始まってからは行けていませんが)頻繁にいろんなところに見に行っています。

絵皿はどのように制作されているのでしょうか。

まずは、ろくろで生地を挽きます。その後、高台を削りあらかた乾いたら絵を描く面に白化粧を施し、白泥が乾かないうちに一気に描きます。乾燥させ素焼きをし、筆やスポイトで一色ずつ色付けをした後、本焼きをして完成です。

陶板は登り窯で制作されたとのことですが、登り窯ならではの良さ、そして反対に難しさがあれば教えてください。

今回お送りした陶板に登り窯の面白さがとてもよく現れていると思います。強い炎で煽るので歪んだりブクやヒビが出たりとB品になってしまうものが多いのは難しいところかと思いますが、焼きが甘いのが逆に良かったり、炎が通った後の生地の肌がとても美しかったり、灰をかぶって思いも寄らない景色に仕上がったりと、自分ではコントロールできない魅力を発見できたりします。

今回の個展に向けて、お客様にメッセージをお願いいたします。

このような時期ですが、楽しみにしてくださる方、お運びくださる方にはとても感謝しています。私はいつも通り湧き上がるものを淡々と形にしている感覚ですが、その一つ一つがそれぞれの気に入ってくださる方の元へゆけたら嬉しく思います。楽しんでいただけたら幸いです。

今回の個展では、どこか異国の雰囲気を感じる絵皿や陶板だけでなく、人気の人ポット、和洋問わず使いやすいプレートやマグカップなどもご用意して頂きます!

この機会にぜひお手にとってみてください。