Anano"さん オリジナルベアや布小物、アクセサリーなど、多彩なクリエーションを発表しつづけているAnano"さん。その作品たちは、いつも詩的な雰囲気をまとって、私たちを「どこか別の場所」へと連れて行ってくれるようです。現在、オルネで開催中のイベントに伴い、Anano"さんにインタビューをすることに。その創作の秘密が、ちょっぴり明かされます。 |
――今回のイベントのテーマは「すずらん」ですが、このテーマにした理由を教えてください。
フランスでは、毎年5月1日を「すずらんの日」として、幸せを運ぶといわれるすずらんを贈る風習があるんですよ。それで、もともと、私自身がすずらんを好きだということもあって、一昨年、恵文社さんですずらんの日をテーマにイベントを行ったんです。みんな幸せそうで、とてもいい一時だったので、またどこかでもずっとやりたいなと思っていて。
そうして今回もすずらんをテーマにイベントを行うことになりましたが、こんなふうに、少しずつでも、すずらんの日の風習が浸透していってくれたらいいですよね。
今回のイベントでは、すずらんをモチーフにした新アイテムがいくつか登場する予定です。すずらんの繊細なミニカードや、シルバーのメダイといったもの。シルバーのメダイは純銀製でリニューアルし、より可憐なデザインとピュアシルバーの輝きによってさらに幸せが訪れるアイテムに仕上がったかなと思います。
ひとつひとつの花が控えめに咲いて、可憐で、華奢で、繊細で、すずらんにはなんとも言えないかわいらしさがあります。最初につくったのは、すずらんのメダイでしたが、それまであったすずらんをモチーフにした品は、私のイメージとは違っていて、ならば自分で、と思ったのがつくり始めたきっかけです。
――これまでに多くのアイテムを発表されていますがどこから着想を得ているのでしょうか?
もともと、旅行が好きで、旅がきっかけになることが多いです。何かをつくろうと思って旅行するわけではないんですが、滞在先のアパルトマンで話をしていると、アイデアが浮かんだりしますね。あとは、旅先で見つけたアイテムからインスピレーションを得たり……。
たとえば、ちょっとした占いに使える「カルトボヌール」というアイテム。これが生まれたのは、ノートルシャンブルのオーナーさんと一緒に南仏を回っていたとき、旅の最中に「小さいカードがつくりたいねー」という話になったのがきっかけ。
こんなふうに、旅の途中にアイデアが涌いてくることがあります。
この間は修善寺に行ってきたんですよ。梅林を見に。といっても、実はインドア派なので(笑)、普段は猫のようにゴロゴロしているんですけどね(笑)。
――「Anano"」と「misoe」、ふたつの名前で活動されていますが、その由来は?
「Anano"」の由来は、本当に単純なんですよ。本名の「穴原の、」を略しただけ(笑)。なのに、皆さんに「いい名前ですね」と褒められるんです(笑)。
それで、布小物をつくるときに「Anano"」で活動をはじめて、線画イラストを描きはじめてからは「misoe」名義を使い始めました。「misoe」のほうはプライベートに近くて、「Anano"」はもっとキッチリした作品、という感じです。
――「misoe」のコラムでは、玄米のことなど、普段の食事についても書かれてますね。
食事は和のほうが多いですね。先日は、三浦半島の農家のお友達と、味噌を作ったんですよ。大豆をつぶして、麹を加えて……半年間、たまに混ぜたり、ひっくり返したり。容器に入れるときに、叩きつけるように入れて空気を抜くのがコツなんです。結局、5キロも作りました(笑)。
――写真もよく撮られていますね。どういった経緯で撮影をはじめたんでしょうか。
もともとは、自分の作品をただ記録しておくためだったんです。そうして撮っていくうちに、好きなアングルや構図、イメージがなんとなくできてきて……。若い頃にカメラマンを目指していた父の影響もあるかもしれません。
撮影するときは、ただ「モノを写す」のではなくて、そのシーンやイメージを切り取っているつもりです。それは作品づくりとも同じで、モノ自体をイメージで伝える、というか……。モノに想いを乗せて表現しているのかもしれません。
――最後に、イベントにお越しになる方にメッセージをお願いします。
すずらんの日(5月1日)にすずらんを贈られると、幸せが訪れる(Porte Bonheur)と言われています。大切な人や自分へのご褒美に、すずらんの贈り物を探しにどうぞいらしてください。贈り物にも嬉しい、限定のすずらんの紅茶も並べています。
皆さんにとって素敵な「すずらんの日」になりますように……