オルネコ文庫 vol.2
〜スタッフおすすめ猫の本〜
ひそかにゆるりと活動している「オルネコ部」。
今回は、そんな部員たちが愛読する、
猫にまつわる本をご紹介します。
その名も“オルネコ文庫”
不定期ではありますが、
のんびりと続けていけたらいいなと思います。
心がぽっと暖かくなる1冊
『あたしの一生』ディー・レディー 江國香織訳(小学館文庫)
「あたし=猫のダルシー」の一生を、猫の目線で綴った物語『あたしの一生』。
「あたし」と「あたしの人間」との出会いから、別れまで——17年にわたる時間が、あくまで猫としての視点で、静かに、愛情深く描かれています。
翻訳は江國香織さん。彼女らしいやわらかさと余韻の美しさが、言葉のひとつひとつに息づいていて、読者の心の奥にすっと静かに届く、そんな文章です。
Instagramで前にもご紹介した本ですが、ちょうど最近読み返しました。
人間との出会い、何気ない日常や旅、生活が変わっていく中でのダルシーの心情など、「うちの子もこんな気持ちだったのかな?」と思わず思い返して想像してしまう物語です。
最後は涙なしには見れませんが、いまは永遠ではないこと、この子との時間を大事にしたいと思わせてくれるお話です。読んだ後には必ず猫をぎゅーっと抱きしめたくなるはずです。
愛猫・みるくがいなくなってからなかなか手に取れなかったのですが、一緒に暮らしていたときとはまた違った目線で読め、寂しいだけの心がぽっと暖かくなりました。
オルネコ部員 モリ
(ねこ:みるく)
あれも、これも。“白”がいっぱい!
『Drawing White』中西なちお/TORANEKOBONBON(書肆サイコロ)
トラネコボンボンさんの描くイラストがとにかく可愛くって、「これは欲しい!」と即購入しました。
装丁も美しくて、本としてはもちろん、飾りたくなるような、手元に置いておきたいと思う本の一つです。
オルネコ部員 トヨダ
(ねこ:ドラ千代・ねね子・カツヲ)
書肆サイコロさんの投稿で目にして、その可愛いさに惹かれて購入しました。
最近、時間をかけて長い文章を読む時間がなかなかとれないのですが、その日その日でパラパラとページをめくって、フフッと癒されています。
オルネコ部員 タマイ
(ねこ:ナナト)
ノラネコ研究、してみたくなる!?
『わたしのノラネコ研究』山根 明弘(さ・え・ら書房)
『わたしのノラネコ研究』は、玄界灘の小さな島で数百匹のノラネコを7年間にわたって観察した、驚きと発見の記録です。行動範囲やなわばり、血縁関係を丹念に追ううちに見えてくる、猫たちの社会の奥深さ。研究者のまなざしで描かれる島のネコたちの暮らしは、ちょっとした冒険物語のようでもあります。
動物のことをもっと知りたい人、観察が好きな人におすすめの一冊です。
シュールな表紙のイラストに惹かれて手に取りました。猫好きの誰もが気になっているノラネコの謎を解き明かしてくれるような本です。
著者が本気でノラネコを調査・研究する様子や、ノラネコ調査のやり方(持ち物や個体識別カード)なども紹介されていて、あわよくば私もノラネコ調査をやってみたいかも…と思わせてくれる本でした。
オルネコ部員 コンドウ
(ねこ:こふで・もずく)
ちょっと切なく、じんと来る
『わすれていいから』大森裕子(KADOKAWA)
大森裕子さんの『わすれていいから』は、猫の視点から「そばにいること」の尊さを描いた絵本。少ない言葉と柔らかな色鉛筆の絵が、読む人の心に静かに沁みていきます。
猫の「おれ」と、うまれたばかりの「おまえ」。成長し、巣立っていく「おまえ」を見送る猫のまなざしには、言葉にならない愛しさと静かな祈りが宿っています。
子どもを見守る親にも、かつて子どもだった大人にも届く、あたたかくて少しせつない物語です。
二人の成長の様子に共感する方も少なくないはず
そんなことを思いながら、さよならをした日を覚えています。
久しぶりに帰省して会えたときのうれしさと、離れるときのきゅっとする気持ち。
「長生きするんだよ」と、いつも声をかけて東京へ戻ったことを思い出します。
あの子は、どんなふうに思っていたのかな。
一緒にいた日々のぬくもりが、静かに胸に残る絵本です。
オルネコ部員 マキタ
(ねこ:出雲)
気になる本や、読んでみたい本がありましたら
ぜひチェックしてみてください。
2025.11.7
※本記事は出版元に許可を得た上で掲載しています。
手作りのおもちゃ
市販のおもちゃではあまり遊ばないので、手作りしています。
2匹でサッカーのように遊んで、最終的に家具の隙間などに入りこんで取れなくなるので、これまでに何個作ったかわかりません。
取れなくなった後にしばらくうろうろする2匹の後ろ姿に癒されています。