オルネ ド フォイユで最も古株のスタッフ・チノは、
南ドイツに住んでいます。
海外暮らし、いいですよね。
外国に行くのは、ちょこっとハードルが高いこの頃ですし、
海外の風を運んできてもらいましょう。
オルネ ド フォイユで最も古株のスタッフ
チノは、南ドイツに住んでいます。
海外暮らし、いいですよね。
外国に行くのは、ちょこっとハードルが
高いこの頃ですし、
海外の風を運んできてもらいましょう。

ドイツ在住スタッフ・チノ

2005年よりドイツのミュンヘンに在住。リモートワークでWEBショップの制作を担当しています。旅行、山歩き、甘いものが好き。

05「アルムの牛祭り」

夏の長いバカンス期間が終わり、生活が次第に通常運転へと戻っていく9月。ミュンヘンでは9月半ばから年間最大の行事、オクトーバーフェスト(ビール祭り)が開催されます。季節の変わり目のため、年によっては雨続きということもありますが、今年は期間中ずっと天候に恵まれて、来場者数も過去最高を記録したそう。

自分はお酒はまったく弱いので、ビールを飲みに行くぞ!とはならないのですが、巨大なテントや大規模なアトラクションが並ぶ会場は壮観で、ぶらっと立ち寄るだけでも十分お祭り気分を味わえます。

さて、200年続いているオクトーバーフェストもいろいろと興味深いのですが、今回は別のお祭りのお話を...

Almabtrieb

南ドイツ、オーストリア、スイスにまたがるアルプス地域では、高地放牧が行われています。6月ごろになると牛(羊・山羊も)を山の上のアルムに連れて行って、夏の間はそこで新鮮な草を食べさせるのです。夏山にハイキングに行って出くわすのはそういう牛たちですね。

そして秋が来て気温が下がると、ふたたび麓の農場へと連れ帰ります。そのアルムの仕事納めの際に、牛たちに美しい飾りをつけ、山から谷へと群れを率いて降りてくるのが、Almabtrieb(アルムアプトリープ)というお祭りです。

地域や標高などによって時期は異なりますが、9月いっぱいアルプス地域のあちこちで行われます。もみの木の枝やアルムの草花、造花やリボンなどで手作りされた牛の頭飾りが華やかで、山や田舎の風景とも相まって、とても魅了されるお祭りです。

準備に手間暇がかかるので、全ての農場が下山の際にお祭りをするわけではありませんが、伝統や風習を守って(あるいは地域振興のために)アルムアプトリープを行なっている場所がまだ残っているのは嬉しいですね。牛や農場の人たちのハレ姿を見ると、普段乳製品をたくさん消費している身としても、あらためて感謝の気持ちが湧いてきます。

今回訪れたのは、オーストリア北部、チロルの小さな町です。

思ったより大きなイベントで、小さな町にぎゅうぎゅう詰めでした。

お酒と音楽があるのは、どこのお祭りでも一緒。

革職人のデモンストレーション。厚い革にこんなに細かな刺繍を施していてスゴい!

牛の顔のジンジャーブレッド。買えばよかった。

立派な木のバルコニーのあるお家は、メインストリートに面した特等席。

山の上から数時間かけて降りてくるので、到着時間は大まかにしかわかりません。

牛たちがやってくる前に腹ごしらえ。ツヤツヤのプレッツェルが美味しそう。左はポテトサラダです。

さあ、牛たちがやってきました!
この飾りには、聖人の絵が付けられ、リンドウやエーデルワイスの造花で縁取られています。

その次はハート型に黄色いお花。

おっと、急接近。
油断していると、列から逸れた牛とぶつかりそうになります。
山から降りてきた勢いのまま街を通り抜けていくので、結構早いんです。

こちらはまた別の農場の一群。
この日は4つの農場の牛たちが、順番にやってきました。

額に当てている革製の部分も、刺繍や房飾りが施されていて素敵ですね。

牛だけでなく、誘導する農場の人たちも民族衣装でおめかし。

最後の一団を、少し追いかけてみました。

先回りして前から写真撮りたい所ですが、ぐんぐん降りて行って追い越せません(汗)。

ここがゴールの農場だったようです。
冬の間ここで過ごす牛たち、また山に行きたいなぁって思うのでしょうか。

さんぽのテンポで暮らすドイツ

#01「冬が来る前に」2022.11.1

#02「アドベントと甘いもの」2022.12.2

#03「冬と春、行ったり来たり」2023.3.15

#04「虫にやさしい?街の風景」2023.6.9

#05「アルムの牛祭り」2023.10.20

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