プリミティブで心を豊かに

今注目が高まっている「プリミティブアイテム」

オルネでも今シーズン様々なアイテムを紹介しましたが、どうやって自分の部屋に取り入れたら良いのだろう?と悩まれる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はインテリアスタイリストの石井佳苗さんにプリミティブアイテムの魅力と取り入れ方のコツを伺いました!

当店で仕入れた商品から石井さんおすすめのアイテムを使ってスタイリングをして頂きましたので、実際にお部屋に取り入れる時のヒントにしてみてください。

 

「プリミティブ」の魅力について教えてください

プリミティブとは「原始的、根源的」という意味の言葉で、ここ数年インテリアの世界でも注目されています。

プリミティブアイテムは元々生活の中で必要なものとして作られていたもの。 しかし使えれば良いというわけではなく、その中に美しさがあり、機能性と美しさを兼ね備えたものを人間は作ってきたんですね。

長い時を経てもなお、現代の生活に取り入れても遜色のない造形美が私たちを魅了しています。

今回のスタイリングでも使用しましたが、ひとつの木をくり抜いて作られたスツールやボウルなど、個性的で力強いアイテムが特徴です。

このようなアイテムは現代の私たちの生活の中で素敵なアクセントになってくれます。なにか物足りなさを感じる、お部屋の雰囲気を変えたい、そうした際に一つプリミティブアイテムを加えるだけで、今までとは違った雰囲気になり、より洗練されていきます。

そうした変化は、私達に暮らしの豊かさをもたらしてくれるのではないでしょうか。

プリミティブアイテムは上級者のイメージがあるのですが、お部屋にどのように取り入れたら良いでしょうか?

個性的なアイテムを取り入れる際は「際立たせること」がポイントです。

本来生活用品だったプリミティブアイテムをインテリアとして見立てて使っていくのですが、プリミティブアイテムは木が日焼けし、使い込まれたことで、濃くなったり、艶が出たり、時間を経た良さを持ったものが多く、集めすぎると重たい雰囲気になりがちです。

しかし、現代の私たちが普段から使っているような、モダンなデザインの照明や家具、絵などと組み合わせてみることで、お互いが際立ち同じ空間にあっても浮くことがありません。

それでは、今回のスタイリングのポイントを教えてください!

壁面にアートともいえる動物のお面を。ひとつだけでも十分空間をアップデートしてくれますが、今回は贅沢に6個飾ってみました。3という数はバランスがとりやすく、左側では三角形に、右側では横に並べてみました。

ポスターと合わせましたが、好きな風景写真やグラフィカルな絵は相性が良いと思います。 またモダンなデザインのランプや椅子と合わせることで、軽やかな印象になり、現代の私たちの生活に取り入れることをイメージしやすいようにスタイリングしました。

プリミティブアイテムをお部屋のワンポイントに、自分の好きなものと組み合わせて、オリジナリティを出してみてください。

また壁面で使用したお面はアースカラーでまとまりすぎていたので、現代の私たちの生活にしっくりと馴染むように、そして明るい気分になるように、色を加えることを意識しました。

今回は合わせて飾ったポスターやオブジェに、赤や黄色・青といった色が入っています。

アースカラーと原色、天然素材とスチールというように、相反するものはお互いを際立たせる関係になることで、相乗効果が生まれます。

その際にバラバラにならないように、繋がりがあるものを合わせて、全体の雰囲気を作ることが大切です。

今回はポスターに入っている色と下に置いたオブジェの色をリンクさせたり、ランプと椅子の脚・オブジェの素材をリンクさせることで全体をまとめました。

ソファ周りには存在感のあるチェアやスツール、真ん中には大きめサイズのオブジェをテーブル代わりに置きました。ここまで沢山のプリミティブアイテムをコーディネートしても、重たくなり過ぎないのは、シンプルでモダンなアイテムを組み合わせているからです。

先ほどもお話ししましたが、プリミティブアイテムは経年変化によって色が濃く変化しているものが多く、重たい雰囲気になりがちです。 そこで、柔らかいジュート素材のラグをひいたり、差し色で赤いクッションを置いたり、軽やかな明るい印象に仕上げるのもコツですね。

チェアやスツールは個性的ですので、オブジェとしてカッコよく見せるのも素敵ですが、元々日常生活で使う道具として作られたもの。是非実用的に使って頂きたいです。 テーブル代わりに使用したオブジェには、本を積み重ねて、平らにして底上げすることで、テーブルとして使いやすくしています。

深さがあるので、小物を収納しても良いと思います。我が家に置いたら、絶対に猫が入ります(笑)

窓辺ではキャンドルホルダーやプレートなどのウッドアイテム、アート感覚で楽しめるベースを、それぞれのデザインが楽しめる様にすっきりと見せています。

プリミティブアイテムを集めると、民族色が強くなってしまいがちですが、異素材のガラスベースを合わせることで、現代のインテリアにアップデートすることができます。

透明なガラスよりは、今回のようにカラーガラスと組み合わせると、より洗練されます。

プリミティブアイテムは実際に使うイメージがしにくかったのですが、色々と実用的に使えそうですね。

元々日常生活で使う道具として作られたものが多いので、是非実用的に使って頂きたいですね。 例えば、窓辺に置いている楕円型のプレート。

細長くて、やや深さがあるので、玄関先で鍵を入れたり、ポプリやお気に入りのポストカードを入れたり。

機能性を追求している、便利なモノとは違いますが、個性的なアイテムを一つ余裕を持って置くことで、暮らしの、そして心の豊さをもたらしてくれます。

皆様も是非プリミティブアイテムに挑戦してみてくださいね。

石井さん、貴重なお話を誠にありがとうございました!

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