2020年9月18日より、陶芸家・佐野元春さんの個展を開催いたします。
佐野さんは洗練された造形、まるで抽象画のような表情豊かな色彩が美しい器を制作されています。
オルネとの出会いは「にわのわアート&クラフトフェア・チバ 」でした。
実はオルネスタッフが以前勤めていた設計事務所に、佐野さんも以前勤めていらしたという面白い接点も。
昨年度よりWEBショップや不動前店にて、作品をお取り扱いしておりますが、
佐野さんから作品が届き、検品する度に、その美しさにうっとりとしてしまいます。
今回は個展開催に向けて、佐野さんご自身のこと、作品のことなどをお伺いしました。
以前は建築関係のお仕事をされていたとのことですが、なぜ陶芸の道に進もうと思われたのですか?
陶芸体験する機会があり、純粋にたのしい、難しい、もっと作りたいという衝動にかられたからだと思います。
作品を制作する上で心がけていることはありますか?
陰影、色彩、表情が豊かで美しいもの、触感が面白いもの、使って頂く方の創造力を刺激出来る様なものが出来たらと思っています。
佐野さんの作品は釉薬の表情が豊かで、造形は上品ですごく洗練されている印象を受けました。例えば新しく器を制作するにあたって、デザイン画のようなものを作成されるのでしょうか?
特別に新しい製作にむけて図面を書いたりデザイン画を起こすことはないですが、普段の生活の中で気になったことや思いついたことがあればラフスケッチやメモに残すことはあります。後は実際にいくつか数を作りながら形を調整しています。
黒い陶土で制作された黒土シリーズ
様々な色の陶土を使用されているかと思いますが、どのような仕上がりの違いがあり、どのような使い分けをされているのでしょうか?
今回新しく納品した黒土のシリーズは黒い陶土で製作しています。黒い陶土は細かい石が混じったような粗い土のため細かい仕事には向きません。
そのため、ざっくりとした荒いワイルドな印象にしたいときには黒い陶土で製作しています。
赤い陶土で制作された作品
逆に白い陶土は目が細かいので繊細な仕事に、赤い陶土は焼くと茶色っぽく焼き上がるのでアクセントに、という風に土のもつ味をどう引き出したらよいかを考えながら製作しています。
佐野さんの作品の色名は「藍白、海碧、灰青、黒土」というように、どれも素敵な名前ですね!何故この色名にされたのですか?
わたしの使っている釉薬が同じ釉薬でも窯の中で変化し様々な表情をみせてくれるので、はっきりした何色というよりも名前から想像力をかき立ててくれるような色名を選びました。
色名:海碧(かいへき)
全て同じ釉薬なんですね!なぜ色がそれぞれ違うのでしょうか?
焼き上がりの色の違いは釉薬ではなく下地の処理や陶土の違いでバリエーションを出しています。
同じ名前の釉薬の中でも個体差が出るのは、釉薬が窯の中で変化(窯変)しやすいものを使っているからです。
それでは個展に向けて、お客様に一言お願いします!
うつわの見せる様々な表情を楽しんでいただければ幸いです。
佐野さん、貴重なお話ありがとうございました!
不動前店では、9月18日(金)〜20日(日)、9月25日(金)〜27日(日)の6日間、個展開催いたします。この機会にぜひお手に取ってみてください。
佐野元春 profile
2005年 武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒業
都内で建築設計事務所につとめた後
2012年 京都府立陶工高等技術専門校成形科修了
2012年 京焼窯元にて作陶開始
2018年 京都府南丹市にて独立