猫と暮らす「衣」「食」「住」

人間よりも長い時間をおうちで過ごしている猫。

のびのび日向ぼっこできるスペースをつくってあげたい。キャットウォークや小さな出入口をつけたい。窓辺に佇む愛猫を、ただただ愛でたい...!

家づくりの中で猫に関するリクエストが多いのは、愛情もさることながら、猫と家との関係が近いからかもしれません。

今回はオルネコ部員協力のもと、人間にも猫にも心地よい家づくりの工夫についてお届けします。

猫の「衣」

衣装持ちではなくとも、あのたまらないもふもふをまとっているのが猫。

猫にとっての「衣」である毛のこと、ブラッシング用品の扱いについて、気になることをニンゲン部員に聞いてみました。

毎日のように使うアイテムなので、さっと取り出せるようにまとめていることが多い模様。

見えないように戸棚にしまうのは、「ブラシ自体を怖がってしまう」という猫への配慮や「猫のお気に入りのブラシだけど、見た目が派手なので...」という理由がありました。

人間のクローゼットがお気に入りというネコ部員も。引き出しから洋服を拝借する(ひっぱり出す)こともあるそう。

余談ですが、年中黒い服ばかり着ている筆者の私。生き物に限らず、この時期は特にもふっとしたものに触れるとあっと言う間に毛だらけになるのですが、オルネコ部(ニンゲン部員)から猫の毛の気配を感じることがないのが長年の謎でした。

きれいを保つ秘訣を聞いてみたところ「ないです(笑)」とのことでしたが、どの部員も一家あたりのコロコロクリーナーの所有数が多いことが判明。

玄関、リビング、クローゼットなど、あちこちに忍ばせてこまめにコロコロするのがコツのようです...!

猫の「食」

ネコ部員たちはどんなところでごはんを食べているのでしょう?

オルネコ部の場合は、リビングがやや多め。

「健康管理の面でも、ごはん中の様子が見えるのは大切」ということで、リビング以外にも人の目が届きやすい場所が多かったです。

新築やリノベーションなどの打ち合わせでも、キッチンの話の流れで猫のごはんスペースの話題が出たり、最近ではコンセントを使うものの想定として、自動給餌器や給水器が挙げられることがあります。

猫のごはんやおやつは、パントリー収納の中にしまったり、猫関連のストック品とまとめている、という部員が多かったです。

大袋に入ったフードはそのままだと取りづらかったり、数種類のカリカリを混ぜてあげたりする場合は、ある程度の量を密閉用器に移し替える、という工夫をしている部員もいました。

 

さらに、「食」まわりで気になることを聞いてみました。

「家づくり目線」で注目したいのは、ごはんやお水の食べこぼしについて。

ごはんに夢中でこぼしがちだったり(かわいい)、お水をぴちゃぴちゃして何かを確認したり(何もないよ...!)、倒してしまったり(それは拭かせてほしいかも...)

器の下にトレーや小さなラグを敷いたり、壁をガードするなどして対策している部員が多いようですが、時にはそれをオーバーしてしまう事もあるそう。

住宅の床、特にLDKの部分はフローリングが一般的ですよね。天然木を使用したナチュラルなフローリングも人気があります。

使うほどに味が出て風合いが育つのが天然木の魅力ですが、キッチンのように日々ハードに使う場所では、ダメージが気になってしまうことも。

猫のごはんスペースも同じで、変化が目立つのはちょっと気になるという方は、床の素材から見直してみるのも一つの方法です。

上記は、床材ごとの特徴について。ただし同じ素材であっても、タイプによっては更に細かな違いがあります。

例えば、水に強いタイルもあれば弱いタイルもあったり、クッションフロアやフロアタイルにも、着色汚れ(ごはんや吐き戻しなど)に強いタイプ、一般的なタイプなど様々です。

家づくりの際は、どんな部分に特化したいのかを考えながら相談してみるのがおすすめです。

猫の「住」

猫の暮らしに欠かせない、トイレまわりやおもちゃのことについても聞いてみました。

トイレについて

猫にとってアクセスが良く、適度にプライバシーを保てることが、落ち着いて使えるトイレの置き場所として候補になる模様。

オルネコ部の「あったらいいな」が詰まった、オリジナルのトイレカバーを愛用している部員も!

トイレ用のスペースを作りたい、というリクエストは家づくりの中でもかなり多く、オルネコ部員からも、

「できることなら専用のスペースを作りたかった」
「猫トイレから出たゴミ用のゴミ箱スペースがあったらよかった」
「廊下に専用スペースを確保するため棚をDIYした」

という声がありました。

猫砂やペットシーツなどの消耗品は、まとめ買いをしたり、使用中+1つはストックを持っている部員が多数。ストックを持つ場合は、収納計画でスペースを考慮できると良いですね。

おもちゃについて

おもちゃの所有数は、個人差(個猫差?)がありますが、オルネコ部はやや少なめの傾向。

市販のおもちゃ以外にも、自分の毛でできたボール、ただの紐などもネコ部員には人気の様子。

ニンゲン部員は、紐や羽根がついたおもちゃなど、足に絡まったり誤飲してしまう可能性があるものは、なるべくしまうように気をつけているとのことでした。

猫も人間も心地よく過ごすために

猫と人間がお互いに安心して心地よく暮らしていくために、気をつけていることを聞いてみました。

脱走と侵入

オープンタイプのキッチンや、回遊性のある間取りなど、「仕切りが少ない家」も最近人気の傾向です。

しかし、人間の導線メインで考えていたら猫の抜け道ができてしまい、後から慌ててゲートを取り付けた、なんてことも!

万が一の脱走防止や、お留守番の時に行動範囲を絞りたい場合は、ドアやゲートの設置位置など、「どこを区切りにするか」の検討が必要です。

植物

インテリアのポイントにもなる観葉植物や花も、猫にとっては「とても興味深いもの」である場合も...。

倒してしまったり、土の部分を掘ってみようかな、なんて思いつくこともあるようです。

片付けたり、カバーをかけてみたら解決するような事もありますが、中には猫が食べると危険な植物も。

オルネ ド フォイユは花や植物が好きなスタッフが多いのですが、オルネコ部員はこんなことに気をつけているそうです。

園芸店の方のお話を聞いてみると、誤って口にしてしまい、危険な状態になってしまった...ということが実際にあるそうなので、本当によく確認したいポイントです。

ファブリック

よくあるのが、「うちの猫、とにかく布製品に目がないんです...」というご相談。

年齢や性格による部分もありそうですが、カーテンを登る、ソファをもけもけにされた、ある椅子だけなぜかバリバリされる...等々。

ソファや椅子の張り地も、メーカーによって違いはありますが「ペット対応」表示のある生地が増えてきました。

爪が食い込みにくく引っ掻きに強い生地や、洗濯機や手洗いで自宅で簡単にお手入れができるカバーリングタイプのものがおすすめです。

オルネコ部では「毛が目立たないような色のファブリックを選んでいる」という部員もいました。ここでもコロコロ大活躍ですね!

カーテンについては、いわゆる「ペット対応」の生地がまだ少ない印象。爪が引っかかりにくいような生地がおすすめですが、レースカーテンなどは短いサイクルで買い替える可能性が高いかもしれません。

カーテン以外の選択肢もあるので、周囲からの視線など人間の事情とも併せて検討できると良いですね。

壁と爪研ぎ

猫との暮らしで避けては通れないのが、爪研ぎ。ネコ部員に人気のスポットは「壁」と「家具」でした。

猫の手が届きそうな高さ(人間の腰高くらい)までは、引っ掻きに強いパネルなどを貼った方がいいのか、引っかかずとも壁紙の寿命は来るので、リフォームの時期になったら貼り替えれば良いのか、新築時には迷うポイントかもしれません。

インテリアとの調和や金額面でのバランスで、一般的には「壁紙リフォーム想定」に着地することが多い印象です。

オルネコ部の中には
「狙われやすいコーナー部分だけ専用グッズで防いでいる」
「塗装仕上げにして、気になったら塗りなおせるようにした」
という部員も!

オルネドフォイユでは、年に何回かスタッフで店舗内の塗装を手直ししています。その経験が、猫との暮らしにも活かされているようです。

気をつけたいもの

そのほかに気をつけているものとしては、こんなことが挙がりました。

すでに猫との暮らしが長い方にとってはあたり前のことばかりかもしれませんが、そうでない場合は「無意識にやっている...!」ということが多いように思います。

ネコ部員のお気に入りスポット

最後は、ネコ部員たちの「お気に入りスポット」について聞いてみました。かわいい写真付きでどうぞ!!

梁の上に登るのがお気に入り。ステップはDIYだそう。なんだか誇らしげ!

晴れた日のベランダ。風を感じますね...!気持ちよさそう!

日当たり良好、見晴らしの良い出窓。くつろぎ感が伝わってきます...!

なんだかんだでダイニングテーブルがお気に入り。甘えん坊の気配がしますね。

カーテンの後ろ。ほかほかに仕上がりそうです。

陽当たりのいい窓辺は、人間もお気に入りだそう。猫が座るのにピッタリなスペースですね!

みなさんいかがでしたか?

日頃からいきもの愛に溢れているオルネドフォイユですが、あらためて話を聞くと、それぞれの家で猫をきめ細かく観察して、試行錯誤していることが伝わってきました。

筆者の私もいつか猫を迎える時には、人間にできることを精一杯叶えてあげたいという気持ちになりました。

人間にも猫にも、心地よい暮らしのヒントが見つかれば嬉しいです!

2024.2.5

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