〈Movie〉 もっと知りたい、食べてみたい。 お菓子に人生をかける、菓子研究家・いがらしろみさん

〈Movie〉
もっと知りたい、食べてみたい。
お菓子に人生をかける、菓子研究家・いがらしろみさん

ジャムと焼き菓子の店『romi-unie(ロミユニ)』。鎌倉と東京にある3つの店舗を営みながら、雑誌や書籍、イベントを通じ、“お菓子作りの楽しさをひろめる活動“を行う、いがらしろみさん。

ろみさんと私たちオルネ ド フォイユのオーナー・谷との出会いは約18年前。その当時、当店で作っていた小冊子の取材で、ろみさんのお店を訪れたことがきっかけだったと言います。

そして今回、ろみさんとOrneko(オルネコ)のコラボレーション「ネコサブレ」が誕生!

ろみさんのアトリエに伺い、ネコサブレのことはもちろん、ろみさんの活動について、フランス旅のことなど、お話を伺いました。

いがらし ろみさん

菓子研究家。romi-unie代表。東京・フランスで学んだフランス菓子をもとに、雑誌、書籍、TVやイベントを通じ、“お菓子作りの楽しさをひろめる活動“を行う。
「お菓子みたいなジャム」をコンセプトにしたジャム専門店『romi-unie Confiture』<鎌倉>のほか、 焼菓子とジャムの店『Maison romi-unie』<東京・学芸大学>、秋・冬だけオープンするチョコレート菓子の店『Chocolaté romi-unie』<鎌倉>の3店舗を15年以上に渡り営む。

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Instagram
@romiigarashi
@romi_unie

お菓子の良さや楽しさを伝えたい。
見つけたのは “菓子研究家”とお店を両立する形。

現在ろみさんは、お店をの運営や経営をしながら、菓子研究家として活動しています。ろみさんにとっては、その両立が、お店と菓子研究家としての仕事を行ったり来たりするのが、心地いいと感じているのだそう。今のスタイルになるまでには長い時間をかけて、お菓子と触れ合ってきたろみさんがいました。

「私はずっとお菓子が好きで、お菓子のことをもっと知りたくて。お菓子の良さとか楽しさとかを伝える仕事がしたいと考えていたんです。そこで、フランスに行ってお菓子を勉強したり、そのあとお料理学校で仕事をしながらお菓子のことをシェフに聞いたり。同じお菓子でもシェフによって作り方が違っていて、材料や配合が同じでも工程のちょっとした違いで味が変化するんです」。

いろんなシェフがいて、いろんな作り方がある。ろみさんが自分の目で見てきたこと1つひとつが、すごくいい経験になったと言います。気づけば、高校生の頃にお菓子の勉強を教室で通い始めてからもう14年経っていたそう!
その頃から、“菓子研究家”としての活動をスタートしたろみさん。

「菓子研究家という形でやり始めて、本を作ったり、雑誌でレシピを紹介したりする中で、『インプットできて、かつアウトプットもできる方法があるかな?』と考えるようになって。たまたま作ったジャムがすごく好評でジャム屋さんとしてお店を持つことになりました。ジャムの作り方を教えたり、お客様とお店で接していたりすると、『あ、こういうのが好きなのか』と反応が見えるんですよね」

本や雑誌とは違う、目の前にいる存在。そこでの対話や反応を知ることで、目線が変わりアイデアや気づきに繋がるのだそう。

「お店での製造の過程や、接客の中でいろんなことを感じて、インプットしていくということができたんです。レシピを考えて提供するだけではなく、お店で実際に作ったものを味わってもらえるのが、いいなと思って。それでおいしいなと思ってもらえたときに皆さんが自分でも作れるレシピがあると、説得感が出てくるというか。だから、お店をやるということと、菓子研究家としての仕事を行ったり来たりしながら、もう20年近くになります(笑)」。

2週間のヨーロッパの旅へ。
新しいお菓子も、変わらない味もやっぱり好き。

今年5月の末から約2週間の旅に出たろみさん。イギリス・ロンドンを経由して、フランス・アルザスへ。いつも「お菓子のことをもっと知りたい」「もっといろんなお菓子を食べてみたい」と話す、ろみさん。今回の旅もお菓子いっぱいの旅だったようです。

「やっぱり面白いですね。新しい流れを、新しくできたお菓子屋さんに行って知るのが。今回は20年ぶりくらいにアルザス地方(ストラスブール)に行って、すごく変わっていました。アルザスの伝統的なお菓子がお土産になって商品化されていて。私自身がお店を経営していることもあって、見る目線が変わったというか。そういうこと1つとっても、新しい刺激がいっぱいでした」。

こちらはストラスブールにある、ティエリー・ミュロップ氏のお店。ろみさんが留学していた頃から訪れている。

フランス菓子が自身のスタートだと言うろみさん。「新しい刺激を受けて、インプットをして、それを日々、菓子研究家の仕事に生かしていきたい」と教えてくれました。
また、ろみさんが大好きだというロンドンの定番の味があるそう。今回の旅でも、厳選しながらもたくさんのお菓子をお土産に。

「私、ロンドンのスーパーのビスケットが大好きで。あいかわらず、イギリスの人たちは変わらない定番が好きなんだなって(笑)。定番はやっぱり、美味しかったですね。可愛いパッケージもたくさんあって。毎回行くと、たくさんビスケットを買ってしまいます」。

ヨーロッパでたくさん買ってきたお菓子を囲んで、romi-uniスタッフたちとお土産会

Ornekoとのコラボレーション!
フランスの定番の味を大切にした、ネコサブレ。

Ornekoとのコラボレーションが実現し、完成したネコサブレ。塩川いづみさんが描くOrnekoのイラストをもとに、スタンプ式のサブレ型を作り、オリジナルのサブレに。

「もともとオルネ ド フォイユさんとは、フランス繋がりという感じで関係性もはじまったので、作るなら『本当にフランスの定番のサブレがいいな』と思って。生地はプチブールという、フランスのいちばん定番のサブレです。いい発酵バターとフランス産の粉を使って、いい窯を使って、やっぱり手作りで作ると、素朴でいい味がすごく出るんですよね」。

「シンプルだけど飽きない」、「いつでも食べたい」。ろみさんが話すのは、そういうサブレの味。世界中のお菓子を見て、食べてきたろみさんだからこそ、このフランスの定番サブレが、究極のサブレなのかもしれません。

カカオ風味の黒ネコ「Cacao」、発酵バターの香りの白ネコ「Butter」。食べるのがもったいない可愛さのネコサブレ。ぜひみなさんも、じっくり眺めて、じっくり味わってくださいね。

2022.07.26


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